幽霊高校生のまつりちゃん




「あなたが萩野まつりでしょ?」

幽霊と呼ぶにはあまりに普通の子だったけれど、彼女が現れた途端に交差点の空気が変わった。

逢魔が時は昼と夜のあいだと言われているけれど、まるで自分が生と死のあいだに立っているような、そんな不気味さが体から抜けない。


「うん。大正解。あなたの名前は?」

「伊東美幸」

「美幸は私になにをしてほしいの?」

「私は麻生梨花に復讐したい」


一度は心を通わせた友達だったけれど、もう今となってはどうでもいい。

今まで必死で我慢していたことが、シロの出来事でぷつりと切れてしまった。


「いいよ。でも最初に言っておくね。願いをなんでも叶える代わりに――あなたは大切なものをひとつ失う。それでも復讐したい?」


ゾクッとするような怪しげな瞳。

殺されたシロの無念。

そしてへらへらとしながら人の痛みがわからないあいつに思い知らせてやりたい。


「私は絶対にあいつを許さない……!」

それが質問に対する答えだった。


「わかった。これからよろしくね。美幸」

まつりが目を細めながら微笑んだ。