梨花が教室を出ていったあと、私はシロの首輪を握りしめてある場所に向かった。
決意が固まった途端に、私は怖いくらい冷静でいた。
しっかりとした足取りでたどり着いたのは、なんでも願いを叶えてくれる幽霊がいる四番目の交差点だった。
まだ空が明るかったので、私はじっと交差点の前にたたずんで、その時を待った。
憎らしい梨花の顔を思い浮かべながら、三時間。
ようやく辺りはオレンジ色に染まりはじめた。
心に悪魔が入りこんだように間違った行動や判断をしてしまうことを、人は魔が差すと言う。
その魔が住んでいる時間帯を逢魔が時と呼ぶらしい。
たしかに交差点には、とても不気味な空気が漂っていた。
悪い方向に導かれてしまいそうな、誤って車に飛び込んでしまいそうな場所。
それがこの萩野まつりという少女がいる四番目の交差点だ。



