「シロのことを知ってるの? なんで梨花がシロの首についていた布を持ってるのよ!」
今まで我慢してきたけれど、これだけははっきりさせなきゃいけないと、声を大きくした。
「うるさいな。あんたがあんな場所で犬なんて可愛がってるのが悪いんでしょ」
……あんな場所ってことは、河川敷にいたことも知っている?
学校でも私の逃げ場を塞ぐように追いかけてくるのが梨花のやり方だ。
きっと帰り道に後をつけられていた日もあったのだと思う。
「シロに、なにかしたの?」
聞きながら、声が震えた。
「べつにちょっと遊んでやったら、急に動かなくなっただけ。電池が切れちゃったのかな?」
「……っ」
怒りと悲しみが同時に込みあげてきた。
「じゃあ、今シロはどこにいるのっ!?」
私は勢いよく、梨花の腕を掴む。
「死んじゃったみたいだから、川に流したよ」
「シロはおもちゃじゃない! 私の大切な友達だったのに……っ!!」
こんなこと許されるわけがない。
シロがいなくなってしまったことは寂しいけれど、もしも優しい人に拾われていたらいいなって。
もう会えなくても、私の心を救ってくれた友達が幸せなら、それでいいと思っていた。
なのに、こんな結末って……ひどすぎる。



