幽霊高校生のまつりちゃん



翌朝。一縷(いちる)の望みをかけて河川敷に見に行ったけれど、あるのはシロがいた空っぽの段ボールだけだった。


もしかしたら、優しい誰かに見つけられて保護された可能性もある。

そうだと信じたいけれど、シロがいなくなったことで私の心には大きな穴が開いてしまった。


こんなことなら新しい飼い主を最初のうちに探してあげればよかった。

自分の寂しさを理由にシロをつなぎ止めて、シロに寂しい思いをさせていたのは私のほうだ。

ごめん、ごめんね。

せめて顔を見て謝りたい。


シロへの喪失感が消えないまま学校に着いた。

上履きに【消えろ】と落書きがされてあったけれど、私は気にせずにそのまま履いた。

そして教室でも私はぼんやりと自分の席に座っていた。

周りからの悪口が今は聞こえない。そのぐらい上の空だった。


「あ、ごめーん。ゴミ箱かと思った」

すると、前触れもなく後頭部に鈍い痛みが走った。

足元に転がっているのは空のペットボトル。どうやら私を(まと)にして、梨花が投げてきたようだ。
 

「なんか魂抜けてない?」

「バイ菌だから誰かに除菌されたんじゃね?」

ゲラゲラと笑っているクラスメイトたち。私はなんの反応もしないまま、机に顔を伏せた。