「あ、あれ……?」
一通り見回したあと、私の目はゴミ箱で止まる。
嫌な予感がして確認すると、予想どおりカバンはゴミ箱に捨てられていた。
しかも誰かが飲んだジュースがこぼれていて、カバンに染みしている。
物を隠されたり捨てられたりすることはよくあるし、慣れてきた。
でも悲しい気持ちだけには慣れない。
誰もいないはずの教室から笑い声がする。
幻聴まで聞こえてくるなんて、いよいよ重症だ。
涙を拭って校舎を出る頃には、すっかり夕暮れどきになっていた。
私は早くシロに会いたくて急いで河川敷に向かった。
早く、早く、シロのそばにいきたい。
心のよりどころを求めるように、全速力で走った。



