よろけた私を見て、梨花がクスリと口角を上げる。
「いじめから逃げたいなら、私の前から消えるしかないよ。本当のことを言って泣いて頼めば、高校くらい他のところに移れるんじゃないの?」
梨花の言葉に圧倒されて、私は黙ることしかできなかった。
私がこのことを親に言えないことは、梨花が一番よく知っている。
将来の夢を追いながらたくさんのことを学べるようにと、両親はこの私立の学校に入れてくれた。
現在だって共働きをしながら私の学費を払ってくれているのに……いじめられているから学校を辞めたいなんて言えるはずがない。
悲しませたりもしたくない。
でも、もうひとりで抱えることに限界がきていた。
それから放課後になり、今日は日直ではないのにクラスメイトに押し付けられて仕事をしていた。
日誌を書き終わって職員室に届ける頃には、教室には誰もいなくなっていた。
……はあ。
自分のため息が大きく聞こえる。
やっと帰れると安心したのもつかの間に、自分のカバンが机にないことに気づいた。



