幽霊高校生のまつりちゃん



そして次の日。いつものように河川敷に寄ってから学校に向かった。

シロからもらった癒しは、教室のドアを開けると同時に消えてしまう。


「うわ、バイ菌がきた」

最初に私の存在に気づくのはいつだって梨花だ。


どうやら梨花の中で私をバイ菌扱いすることがブームのようで、みんなも腫れ物みたいな視線を送ってくる。

そんな雰囲気の教室に長くいられるわけもなく、私は授業以外の時間は別の場所に移動した。


休み時間に向かったのは図書室だった。

二限目にやった古典を見直すために部屋の片隅でノートを広げていた。

私が目指しているのは国語教師なので、古典や現代文、漢文は積極的に勉強するようにしている。


「空気が悪いと思ったらやっぱりバイ菌がいたんだ」

と、その時。気配もなく後ろから声がした。それは梨花を含む複数の女子たちだった。


「こんなにびっしり書いちゃってマジできもい」

梨花はわざと汚いものを触るように私のノートをつまみ上げた。


「……か、返して」

せっかく教室から逃げてきたのに、なんでここにいるんだろう。

もしかしたら私のことを追ってきたのかもしれないし、たまたま図書室に来ただけかもしれない。どっちにしても今の私は梨花にとっていじめがいがあるおもちゃでしかない。


「お願いだから返してよ」

「ちょっと、触らないでよ。菌が移るじゃん!」

梨花はそう言って、梨私のノートを床に落として踏みつけた。