幽霊高校生のまつりちゃん



「ちょっと待ってね」

私はカバンから犬用の缶詰めを取り出す。先ほどコンビニで買ってきたものだ。

開ける前の缶は匂いなんてしないはずなのに、私が缶を手にしただけでシロは自分のご飯だということがわかっていた。


「ワンワンッ!」

早く早くとせがむように鳴いている。


ちゃんと食べてくれるか不安だったけれど、そんな心配はいらなかったようで、シロは缶詰めを美味しそうにガツガツと一瞬で平らげた。

日に日に成長していくシロを見ていると、嬉しい気持ちの一方で、このままでいいのだろうかと考えてしまう。


もう少し大きくなれば段ボールで寝ることは窮屈になってくるし、こんな河川敷じゃ衛生的にもよくない。

早く飼い主を探してあげたいと思っているけれど、シロを手放したくないと思っている自分もいる。


私の孤独を癒してくれるのはシロだけ。

もし会えなくなってしまったら……私は本当に心が死んでしまう気がした。


「あ、そうだ。これ」

私は思い出したように、ポケットからあるものを出した。

それは青色の布で作ったシロの首輪。

今日の家庭科の授業でミシンを使ったので、余った布をシロの首周りに合うように調整してきた。


「ワンワンッ!」

それを巻いてあげると、シロは嬉しそうにはしゃいで、その場で何度もジャンプした。


「気に入ってくれた? いつか本当の首輪を買ってあげるからね」

私はそのあとも時間が許す限りシロと一緒にいた。

明日のことを考えると憂鬱だけど、シロといる時だけは苦しさを忘れることができていた。