それから長かった1日がようやく終わった。
梨花や他のクラスメイトたちと鉢合わせしないように、放課後はしばらく女子トイレの中にいた。
静かになったタイミングでトイレから出て鏡を確認すると、目が赤く充血していた。
……ちょっと、泣きすぎた。
冷たい水で少し冷やしたあと教室に戻ると、机にかけておいたカバンの中身がすべて出されていた。
それをひとつひとつ拾いながら、また泣いたら目が腫れちゃうと涙を我慢した。
校舎を出た私は、駆け足で河川敷へと向かった。
近道だからと階段ではなく斜面を滑り落ちる形で下りた。高架下の前ではシロが尻尾を振っていた。
その姿を見て、私はやっと息が吸えた気になった。
私のことを受け入れてくれるのはシロだけだ。
なんだか自分が必要とされているようで、ほっとする。
「よしよし。いい子だね」
抱き上げると、さらにシロは喜んで手足を動かした。
「あ、ちょっと舐めないでよ。くすぐったいよ」
ずっと顔が強張っていたけれど、シロのおかげで今日初めて笑うことができた。



