「でもさ、もうひとつのベッド空いてるじゃん」
「えーやだよ。変態すぎ!」
中等部の頃から付き合っているふたりが仲良しなことは誰でも知っている。
おそらく授業をサボっていちゃいちゃしにきたのだと思う。
「誰が使ってるか見てみようぜ。俺らと同じ目的の人かもしれないし」と、宮本が私のいるベッドに近づいてきた。
どうしようと慌てる暇もなく、カーテンは勢いよく開けられてしまった。
「なんだよ、伊東かよ」
宮本と目が合って、私は気まずさでうつ向く。すると、その後ろから彩芽が顔を出してきた。
「教室にいられなくなって逃げてきたんだ」
今では女子のリーダー格になりつつある梨花と仲のいい彩芽だけど、一緒になって悪口を言ってくることはあまりない。
かと言って助けてくれるわけでもないけれど。
「あんたさ、前は仲良かったのになんで梨花にあれだけ嫌われてるわけ?」
「なんでってそれは……」
言いかけた私は唇をぎゅっと結んだ。
もしもここでなにかを言えば彩芽は梨花に報告するかもしれない。
そういう姑息なことをするタイプじゃないけれど、今は誰のことも信じらなくなっていた。



