理由はいくつか自分なりに考えた。
梨花以外に親しくしてる人はいなかったので、ずっと一緒にいすぎて嫌になってしまったのかもしれないし。
成績が思うように伸びていなかった梨花に対して前向きなことを言い続けたことが鬱陶しかったのかもしれないし、それは梨花にしか分からない。
私との付き合いをやめた代わりに梨花は派手な人たちと遊ぶようになった。
見た目もどんどん変わっていって、今ではクラスでも一目置かれる存在になっている。
コツコツと勉強を続ける私のことを梨花はバカにしてくるようになり、それがエスカレートしていった結果……。
友達だったことが嘘のような扱いを梨花からされている。
「ああ、早く席替えしてほしい」
ホームルームが始まって席に着くと、梨花はわざと机を詰めてきた。
そのせいで椅子も引くことができないほど窮屈な状態になり、私は少しだけ席をずらす。
「ちょっと狭いからやめてよ」
前の人に怒られてしまい、また梨花を含むクラスメイトたちが私のことを笑っていた。
こんな地獄みたいなことがもう一年以上続いている。
……私はなんで一貫校を選んでしまったのかな。
本当だったら中学卒業を機に解放されるはずだったのに、同じ校舎であと二年もみんなと高校生活を過ごさなければならない。