幽霊高校生のまつりちゃん




そのあと家に帰った私は庭の一角で燃え続けている炎を眺めていた。

煙に気づいた両親が慌ててリビングの網戸を開ける。


「桜、なにしてるの……!?」

「なにって昔の自分が写ってるものを燃やしてるんだよ」


幼少期からのアルバムや小中の卒業アルバム。家族旅行で撮ったものや七五三の写真まですべて炎の中に入れていた。


「なんてことをするんだ……!」

お父さんは上着を脱いで、炎を消そうとしていた。


「邪魔しないでくれない?」

最後の写真を炎へと投げ入れたところで、お母さんに強く腕を掴まれた。


「いい加減にしないさい! どうして……どうしてそんなに変わっちゃったのよ……」

お母さんが崩れ落ちるようにして泣く。

すべての思い出が灰になってしまったのを見て、お父さんも悲しそうな顔をしていた。


「……もう今の桜は俺たちの娘なのか分からないよ」

そんな両親の姿を見ても、別になんとも思わない。


(みにく)かった私はいらないのだから、写真すら残しておく価値はない。

容姿が(おと)っているってことは、人生も劣っているのと同じこと。

私はふたりの顔が大嫌いだし、昔の自分も死ぬほど嫌い。

もう可愛くない自分のことは、思い出したくもない。