「桜はまだ翼のことが好きなの?」
そうまつりに聞かれて、私は前髪に触っていた手を止める。
「まさか。もうどうだっていいよ」
正直、今は翼くんよりカッコいい彼氏なんて簡単に作れるし。
「でも私、性格もブスって言われたこと忘れてないから、私のことを好きにならせてこっぴどく捨てるのもありだと思ってさ」
私なんて翼くんには釣り合わないって思っていたけれど、私に釣り合わないのは彼のほう。
翼くんの彼女になり、涼香が悔しがったあとに、ふたりとも惨めにさせる予定だ。
「桜は涼香や翼より自分のことが一番大切になったんだね」
「当たり前じゃん。可愛くなった私以上に大切なことってあると思う?」
外見よりも中身だなんて、そんなのは綺麗事に過ぎない。
容姿がすべて。誰よりも可愛くて美しい私には怖いものなんてなにもない。



