幽霊高校生のまつりちゃん



なんだかまだ物足りない気がする。

二重の幅をもう少し広げて、鼻筋も高くすれば、ハーフっぽい顔立ちになるかな?


「自分磨きをすることはいいことだけど少し度が過ぎてないか? 桜は生まれもった素顔のままでも十分可愛いんだから」

「ちょっと、やだ。冗談言わないでよ」

「冗談じゃないよ。父さんと母さんは本当に……」

「あーわかったから、早く出ていって」

「さ、桜……!」

まだ話していたお父さんを押し出すようにして、部屋のドアを閉めてしまった。そして私は再び鏡の前に立つ。


「ねえ、まつり。どうやったらもっと可愛くなれるかな?」

歯並びもガタガタだし、唇も厚い気がするし、顎ももう少し尖っていたほうがいいと思う。

ひとつ変えるたびに、ひとつ悪いところが目立つ。


「可愛さの基準は人それぞれだよ。だってさっき桜のお父さんは生まれもった素顔が可愛いって言ってたでしょ?」

「それは親だからそう思うんだよ」

親の感覚と他人の感覚は違う。


もっともっと私は可愛くなれる。

ブスで男っぽいと言われていた私をみんなが忘れるくらいに。