その日の帰り道。私は本屋に寄って、片っ端から雑誌を買い集めてきた。
すぐさま自分の部屋のテーブルに積み上げて、モデルの人を観察。当然というか、雑誌に載るほどの人たちはどれも綺麗な人ばかりだった。
「まつり。私のスタイルを変えてほしい。足が太いから細くして、あとウエストもこの人みたいにして」
私は水着で映っていたモデルを指さした。
顔も大切だけど体も大切。
寸胴でバランスが悪かったら、いくら顔を可愛くしても見栄えがよくない。
「足とウエストを細くしたらいいの?」
「うん。それから笑うとえくぼが出るようにしたいんだけどできる?」
「私にできないことなんてないよ。私はもう桜のものなんだから、どんどん望むことを遠慮なく言っていいよ」
「ありがとう」
週末を挟んで月曜日を迎えた。こんなに学校が待ち遠しかった日はない。
「みんなおはよう」
昇降口にクラスメイトの女子がいたので自分から声をかけた。
「え、さ、桜?」
おかしいくらいみんなの声が重なる。
「今日、体育あるよね。面倒くさいよねー」
雑談を返しながら私はローファーから上履きに履き替えた。そのあいだもみんなは口をぽかんと開けて、私のことを目で追っていた。
「なんか山中、急に可愛くなってない?」
教室に着くなり、クラスメイトたちは私の話で持ちきりだった。



