それから私は学校で孤立するようになった。
涼香に嫌がらせをしていた女子たちは翼くんに嫌われたくないと、一連のことをすべて私がやったことにしていた。
なにを言っても信じてもらえずに、今度は私がみんなの敵になってしまった。
そして次々と聞こえてくる私への本音。
「桜って、ぶっちゃけ男子の輪に入ってる時って自慢気な顔してたよね」
「わかる! 翼くんに好かれてますアピール」
「女子力低く見せといて、一番あざといやり方」
「みんな気づいてたよね。桜も翼くんのことが好きなことくらい」
教室にいても廊下を歩いていても、私のことばかり。
しかも私のことを悪く言えば言うほど、なぜか涼香の評判だけが上がっていく。
「みんな今でも翼くんのことが好きだけど、涼香が彼女なら納得だよね」
「うん。可愛いし、どこかの男おんなとは大違い」
「涼香に嫉妬したところで、翼くんに相手にされるわけないじゃんね。だって顔ブスだもん」
友達だと思っていた人たちの声。
みんながそんな風に私のことを思っていたなんて知らなかった。
たしかに涼香は可愛いし、誰よりも女の子らしい。
一方の私は可愛くないし、誰よりも女の子らしくない。
私だって本当は可愛くなりたかった。
でもそうなれないから、自分で自分が生きやすいキャラクターを探した。
それがサバサバしている男の子みたいな私。
そのおかげで友達も多かったし、容姿は欠点だらけでも性格だけには自信があった。
だけど、ふたを開ければ、中身なんて結局誰も見ていなかった。
涼香は可愛いから許されて、私は可愛くないから許されない。
――『お前って性格もブスだったんだな』
仲良くしていた翼くんでさえ、私のことをブスだって思ってた。
自分で自分を否定するより、好きな人に否定されたことが一番悲しい。
どうやったらみんなを見返すことができるだろうか。
どうやったら、私はみんなに認めてもらえるだろう。
沸々と今まで感じたことのない悔しさが込み上げた。



