幽霊高校生のまつりちゃん




次の日。学校に行くと下駄箱の周りでクラスメイトの女子たちが集まっていた。

「……みんな、おはよう」

昨日の涼香との会話が尾を引いていて、私はテンションが低かった。


「おはよう。桜、これ見て」

友達が持っていたのは白いビニール袋。

人差し指と親指で摘まむように持っていたそれからはなにやらツンとした悪臭が漂ってきた。


「な、なにそれ」

「生ゴミだよ。涼香の下駄箱に入れてやろうと思って」

友達は躊躇(とまど)うこともなく、ビニール袋を逆さまにした。

まだ登校してきていない涼香の上履きが一瞬で生ゴミだらけになった。


「や、やめなよ。そんなことしたら涼香は今日……」

「いいじゃん。靴下で過ごせば」

恨みというより楽しんでいるようにも感じる。

さらに他の女子が追加の生ゴミを持ってきた。どうやらそれも下駄箱に入れるつもりらしい。


「桜もやりなよ」

「やらないよ。ダメだよ。こんなこと」

「だって涼香ムカつくじゃん。桜は涼香にムカついたことないの?」

「それは……」

「はは、あるんじゃん!なら、このゴミは桜にあげるから日頃のストレスと一緒にぶちまけちゃいなよ」

そう言って理不尽に生ゴミを預けられてしまった。


いらない……というか汚い。

生ゴミってどこに捨てればいいんだろうと思いながら、私は涼香のことを思い出していた。


本音で話せるのは私だけだと言っていたのに、結局涼香は口だけだった。

翼くんのことをなんにも相談してこなかったし、告白が成功してしてからは寄り付いてもこなくなった。