幽霊高校生のまつりちゃん



二次会があったらどうしようと思ったけれど、そのまま現地解散になって安心した。

「ずっとエアコンの中にいたから、体が冷えちゃったね」

私は隣を歩く璃子に問いかけた。


さっきまで谷野ちゃんも一緒だったけれど、分かれ道にさしかかり、今は璃子とふたりきり。

……そういえば璃子とふたりで話すのは久しぶりかもしれない。


入学したての頃はよくふたりで出掛けたり、プリクラも撮りにいっていたけれど、早織たちがグループに入ってから自然とふたりでは遊ばなくなっていた。


「お会計は男子たちが出してくれたけど、よかったのかな。私的にはすごい助かっちゃったんだけど」

憂鬱だったカラオケが無事に終わったことで気分が軽くなり、私の口調はいつもより軽やかになっていた。


「私、流行りの曲とか知らないから全然歌えなかったよ。今ってやっぱりあのアーティストが人気なんでしょ? ほら、紅白にも出てたしドラマの主題歌にもなってた人」

「………」

なぜか璃子からの返事はない。


谷野ちゃんとは普通にしゃべっていたのに、私とふたりきりになった途端に、スマホばかりを見ている。

さっきから画面をスクロールさせたり、なにやら文字も打っていて、その表情は不機嫌だった。

その冷たい態度を気にしつつ、横目で璃子のスマホを確認すると、やっぱりいつものSNSを開いていた。

……どうしよう。

でもタイミングは今しかないかもしれないと、私は勇気を出してずっと気になっていたことを聞いてみた。