「そんなことないよ。私は桜のほうが絶対にモテると思ってるよ」
「いやいや、ないって」
「桜みたいにボーイッシュが好みの人もいるし、なにより性格の良さは私が保証する!」
「ちょっとそれって性格しか褒めてないじゃん!」
私は笑いながら突っ込んだ。
昔から性格だけはいいと言われていた。人の悪口も言わないし、人を仲間外れにしたこともない。
少し癖のある人でも柔軟に対応できるから、彼氏はできないけれど、友達はたくさんできた。
ポジティブに考えれば、翼くんの好みじゃなくても友達としてならずっと側にいられる。
ゲームや漫画の話をして仲良くいられたら、遠巻きに見つめている女子たちよりは幸せかもしれない。
「私、本音で喋れるのって桜くらいかも」
「えーなんで?」
「クラスの女の子たちはなんていうか裏がありそうで、あんまり自分のことを見せたくない感じがして……」
「まあ、たしかに女子の世界は怖いよね」
「うん。でも桜は絶対に裏表がないし、さっぱりしてる性格が話しやすくて本当に大好きなんだ」
大好きなんて言われたことがないから普通に照れてしまう。



