午前から午後をまたいで、五科目と面接の試験が無事に終了した。
試験後は学校に戻る決まりなので、見慣れた教室に入ると、ちょうど掃除の時間だったクラスメイトたちが寄ってきてくれた。
「亜子、お疲れ! どうだった?」
今日いる生徒たちは先週に試験を終えているスポーツ推薦組と私立組。私たちと一緒の一般入試組も徐々に帰ってくる頃だろう。
「うーん」
「嘘、ダメだったの?」
「ううん。ばっちり! やれることはやってきたよ」
「もうビックリさせないでよー」
友達と楽しく騒ぐ私の後ろで、友香はひとりで自分の席に着いていた。
その日の帰り道。私は軽やかな足で鼻歌を歌っていた。
「上機嫌だね」
そんな私を見てまつりがクスリとしている。
「だって、やっと勉強から解放されたんだよ。機嫌くらい良くなるよ」
「まだ結果が出てないのに?」
「はは、試験は完璧だったよ。あれで合格じゃなかったら裸で街を一周してもいいよ」
「えー面白そう!」
まつりの瞳が珍しく輝いた。
「そんなことより、ちゃんと友香は不合格になってるよね?」
確認のために強く聞いた。
「うん。もちろん。友香は試験に落としたよ」
「そっか。ありがとう」
また私は鼻歌を歌いはじめた。



