神社ってお祓いもしたりするから、幽霊と相性が悪そうだけど、まつりは子どもみたいに元気だ。
まつりが私以外の人に見えない存在だということは認識していたけれど、改めてこんなに大勢の人がいても誰ひとり気づかないことが不思議な気分。
けれど、境内にいたのら猫がまつりのことを凝視していたので、動物が幽霊を見られるというのは本当らしい。
「時計してくれてるんだね」
なかなか進まない列を気にしていると、隣で友香が嬉しそうにしていた。
「私ね、亜子の親友でいる自信がずっとなかったんだ。どんくさいし不器用だし、自分でも嫌になるくらい。でも亜子と同じ聖学の制服を着ることができたら……私はやっと亜子の隣に並んでもいいって思える気がするんだ」
その言葉を聞いて、私は腕時計をぎゅっとした。
友香がまっさらな心を持っているほど、自分が薄汚れて見える。
私だってこんな気持ちを抱くはずじゃなかった。
本番まであと一か月。
友香はそのあいだ今まで以上に自分を追い込むほど勉強すると思う。
まつりの力を使って邪魔してやろうと思ってた。
でも今は心にブレーキがかかっている。
たくさん嫌なことをしてきたけれど、まだ間に合うだろうか。
純粋に友香と親友でいた頃に戻れるかな。
そんなことを思いながら、列は少しずつ進んで、私たちの番になった。



