「ぷっ、あはは。いい気味!」
そして友香が帰ったあと、私はベッドに横になって笑いを堪えられずにいた。
「まつりって本当に神様みたいだよね」
こんなことならもっと早く呼び出しておけばよかった。
私たちが勉強をしてる時、まつりは退屈そうに部屋をぐるぐるとしていた。それで今は私のお気に入りのクッションの上に座っている。
「亜子と友香は親友でしょ? ほら、ここに書いてある」
まつりはそう言って、部屋の壁に立て掛けられているコルクボードを指さした。
そこには幼稚園から現在までの写真が貼られていて、そのすべてが友香と撮ったもの。
写真はペンなどでデコられていて、【ずっと親友】という言葉がキラキラと光っていた。
たしかに友香とは15年間一緒に過ごしてきた。
幼稚園のひよこ組から始まって、小学校でも中学校でもなぜかクラスさえも離れなかった。
大きな喧嘩をしたこともないし、定期的にお泊まり会を開いて夜通しお喋りをすることも珍しくない。
たぶん私たちの距離は誰よりも近かった。
近かったからこそ、ひとつの歯車が狂うと調律が合わなくなる。
「その時計も友香とお揃いじゃない? 友香のことが許せないのに外さないんだね」
まつりに目ざとく気づかれて、私は時計を隠すように左腕を後ろに下げた。
「……別に時間を見るのにちょうどいいから使ってるだけ」
「ふーん」
まつりは私の味方だけど、なにを考えているか分からない。
なんだか色々と見透かされていそうで、やっぱり不気味な存在だ。



