実は昔から男子に対して苦手意識がある。
地味だったことでからかわれたこともあって、そういうトラウマから高校は迷わずに女子校を選んだ。
こんなことなら今日のカラオケを断ればよかったんだろうけど……一度断ったらもうみんなから誘ってもらえないかもしれない。
男子への接し方も難しいけれど、それ以上に女子への接し方のほうが間違えてはいけないのだ。
「ねえ、誰かドリンクバー行かない?」
璃子は空になったグラスを手に持って、視線は私のほうに向いていた。
……でた。いつも自分でいくのが面倒だからって、人に行かせようとするやつだ。
食べ放題の時も絶対に璃子は席から立たないし、『あれ持ってきて、これ持ってきて』とお嬢様気取りで指示をするだけ。
そんな態度にもちろん不満はあるけれど、それを言ってしまえば私の世界は終わってしまうだろう。
「私、ちょうど行こうと思ってたから、取ってくるよ!」
気持ちとは真逆に笑顔で引き受けると、便乗するように早織と谷野ちゃんからも頼まれてしまった。



