「こ、ここはっ!」

「お好きじゃないですか?
こういうところ。」

「え⁉︎彬良クンも?
コスプレ好きなの⁉︎」

「あ、いや、俺は……。」

この御曹司、ヤバいな。
目、キラキラしちゃってるよー。

婚約者いるって言うから、連れてきたけど、
大丈夫かな?

灯里に惚れ込んだらどうしよう…。
今更だけど。

「俺は2回目です。
ホストファミリーを案内した時に
ここを知って。」

「あー!
外国人向けの案内にはイイよね!
俺もメイドカフェは何度か行ったけど。
くノ一は初めてだわー。
あ、それより、敬語やめて。
灯里と同級生なら1つしか変わらないんでしょ?
斎でいいし。」

「……わかった。
じゃあ、俺も。彬良でいいから。」

この人は距離感をなくす天才だな。
天真爛漫を具現化した様な人だ。
もう、何年も前から一緒にいるみたいな感覚になる。
さっきのカフェで、俺を意識してか、何度も『口説いてない』って言ってくれた。
だから、この人は信用出来ると直感した。
なんだろう…

あー、そうか!
兄貴だ。兄貴に似てる。
ちょっとヘラヘラしてるけど、ちゃんと人の気持ちを考えてるところ。
抜け目ないところ。
天真爛漫なところ。
そっくりだな。