「ダメッ!月(げつ)はそんな事ばっかり言って、いつも貧乏くじ引いてばっかりじゃない! ……決めた!次は絶対に月(げつ)の願いを叶える!次の満月の夜までにお願い事を考えておく事!いいっ?!」 彼の返事に納得のいかなかった私が詰め寄って念を押すと、プッと微笑った月(げつ)は短く「分かった」って言った。 それを聞いて「よろしい!」と満足気に鼻歌を歌う私の横で「もう叶ってるんだけどな」って、月(げつ)が小さく呟いていた事を、私は知らなかった。