「私……付き合うって、よくわかってなくて……」
ごく最近まで涼太とだってゲームしてばっかり。
涼太に対して異性って意識したことも一度もなかったから。
「俺が教えてあげるから水瀬は無理に何かしなくていいよ」
「教える……?」
保健室でも白坂くんはそう言っていたけど。
視線をスライドさせると、目が合う。
「キスとか、ね?」
「きっ、キス!? 」
そんな聞き慣れていない単語にうわずった声が出る。
「焦りすぎ。今するとは言ってないよ」
なんて言いながら口もとがどこか楽しそう。
「ちょっと待って白坂くん! 先に言っておくけど、私……うまくないよ!? あの女の先輩みたいに! てかしたことないし……」
付き合ってるとはいえ、まだ私と白坂くんが今後キスをするほどの仲に発展すると思われても困る……。



