視界いっぱいに今日も憎たらしいくらい綺麗な白坂くんの顔が広がった。
「今のは、涼太が……っ」
「その名前出されると、口塞ぎたくなる」
「っ、」
「なんでだろうね?」
ニヤッと笑う妖しい笑み。
口もとは笑ってるけど、それが心底危なく映るからヒヤヒヤしてしまう。
結局……白坂くんと帰ることになって、下駄箱で靴を履き替えて外に出る。
「これから出来るだけひとりで帰らないで?」
「え? なんで……?」
「最近危ないから」
「……危ないとは?」
「水瀬のこと俺の事情に巻き込みたくないんだよね。だからひとりにならないでって言ってんの」
……白坂くんの事情。
頭の中に不良とか怖そうな人とか暴走族とかしか出てこないんですけど。
「って言ったけど、本当は俺が水瀬といたいって理由の方が大きいんだよね」
「……!?」
本当に白坂くんは直球だ……。



