「……い、いいよ! 望むところ!」
「ずいぶん強気だな?」
米粒程度の負けず嫌いを発揮した私は、このあと後悔することになる。
「名前で呼んでよ?」
「名前……!? いきなり、ハードル高いよ……」
腐れ縁の涼太とは訳が違う……。
だけど、白坂くんがこのまま見過ごしてくれるはずがなくて。
「いつまで“白坂くん”なわけ?」
「でも、ずっと白坂くんって──」
「は? 間違えんなよ」
「っ、」
白坂くんと呼んだ私の顎をつまんで、そっと上へ持ち上げる。
そして、今にも唇が触れそうだと思ったら、そのまま私の耳元に顔を寄せた。
「“なぎ”だよ?」
吐息混じりに囁かれて、身体が痺れそうになる。



