「バランスとってるだけだろ?」
「……そうかもしれないけど、さすがに……っ、ぎゃっ!?」
少し距離をとろうとしたら、バランスを崩しそうになった。
……やばっ、落ちる!!!!
手を必死に動かした直後、ギュッと肩に回った白坂くんの右手。
「落とすわけないでしょ」
ぷっ……と笑った白坂くんが、目を白黒させる私の肩を支えていた。
「ありがとう……っ」
白坂くんの腕の中でそっと顔を見上げれば、視線がぶつかった。
「……お前こそ近すぎ」
「……だって」
「だいたい濡れた髪は卑怯だって。前も言ったろ、バカ……」
ふざけんな、と白坂くんがおでこをこつんと叩いてくる。
確かに宿泊合宿でもそんなようなことを言われたけど。
ここはプールなんだから、どうしたって濡れるのは当然で……。



