「乗れる?」
「これくらい……だ、大丈夫!!」
いざ浮き輪に乗り込むだけでもバランスを崩しそうでひと苦労だ。
「ぷっ。早く乗りなよ? 負けちゃってもいいの?」
「だって……っ、なんかすごい滑るし……」
水着はおしりに食い込むし、なんて格好だ。
よかった、白坂くんが先に乗ってくれて。
背後から見られたら、とんでもないものをお見せすることになってしまう。
「ほら」
「わぁっ!!」
白坂くんが手を貸してくれて、勢いがつく。
おかげでなんとか乗り込むことに成功した。
「髪、もう濡れてる」
「っ、」
白坂くんとの距離が一気に縮んだ。
目の前には陽射しを浴びた白坂くんの綺麗な顔がある。



