｢まさか涼太……私のこと｣
｢……ちょっと待て！！ 別に、好きなわけじゃねぇからな！ 小夏はただの腐れ縁だし！｣
｢ふーん？ 白坂くんのことあっち側！とか言ってたくせに？｣
｢涼太くんズルいでしょ。絶対俺を近づけさせてくんなかったもんね？｣
そこへ白坂くんが得意気に加勢する。
いてて……と傷口を押さえる涼太に、私と白坂くんは自然と笑みが零れた。
｢なにわともあれ、あなた達が無事でよかったわ｣
｢百合さん、助けてくれて、本当にありがとうございます……｣
｢ううん。本当はね、わたしひとりの力でなんとかしたかったのよ。だけど、大事な片割れを守るには本物の正義に頼るしかなくてね……｣
眉を下げた百合さんが目を伏せる。
