「じゃあ、この前……待ち伏せてまで白坂くんに会わせようとしたのは、剣崎じゃなかったってことですか……?」
「ええ。大事な片割れを差し出すほど、わたしは悪党に見えるかしら?」
……かなり見えましたよ、とは助けてもらっておいて言えるわけない。
「そのボディガード、あんたと同じ高校生なのに空手で黒帯。警察官の人とも知り合いで、だから凪に護衛をつけようとしたのに」
「……頼んでねぇっての」
よく見ると、白坂くんにちょっと似てるかも。
「ずいぶんな態度ねぇ? わたしのせいで散々とばっちりを受けたから、せめてもの罪滅ぼしのつもりだったのよ?」
「よく言うよな? 姫の名を欲しいままにしてきたその容姿のせいだろ。総長からの寵愛も受けて、俺はただの弟だってのに手を出しただの姫の男だとか勘違いされたんだからな」
「凪、それで追い回されちゃったのよ」
と、私にクスッと笑って言った。
片割れのせいで災難な目にあったって、そういう理由だったってこと!?



