「近所に住んでる、ユリさんだ……小夏は知らねーけどさ……」
あ……。
そこでやっと思い出した。
夏祭りで涼太がすごく美人な人の名前を口にした時、ユリさんって言ってたような。
「白坂くん……っ、この人は?」
「ああ。俺の片割れだよ」
口元を服で拭うと、私の隣にやってきて手を引っ張ってくれる。
おろおろと立ち上がり、もう一度その人を見る。
綺麗な顔立ち、さっきの威風堂々とした姿。
「まかさ……」
「白坂百合。俺の片割れで、姉貴」
姉貴………!?
「えっ、嘘だ……だってこの人、白坂くんのこと追いかけてて、それに……じゃあ、この男の人達は!?」
スーツを着ているし、剣崎を取り押さえて連れて行こうとしてるんだよ!?
まさか、もっと危ない人達なんじゃ……。



