「女でも容赦なく埋めるぞ?」
「へぇ? その時は、ちゃーんと綺麗な花も一緒に添えてくれるのよね?」
女の人は剣崎を前にしても、微塵も怯える素振りを見せなかった。
「……そんな屁理屈を並べていられるのも、今のうちだよ?」
「あら? あなたが期待している仲間なら来ないわよ? 今頃みんな仲良く石段の下で眠っているもの」
「……なんだと?」
剣崎は心底驚いた顔をして、ようやく自分が不利に立たされていることに気づいたみたいだ。
「剣崎柊吾! 大人しく縛についてもらうぞ」
男の人が数人、剣崎を取り囲む。
そして、目にも留まらぬ速さで取り押さえた。
剣崎は顔面蒼白状態で、「鬼ごっこ出来ないの? こっちの方が地獄だ」と、ヘラっと笑った。



