【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ



こんな危ない奴がキミに近づいたら、キミだってきっと怖がるだろ。


だからただキミを見てるだけで、距離はどんどん遠くなった。


その度にアイツが羨ましくて。


キミの隣に当たり前にいるアイツになりたいとさえ思ったなんて、ダサいから言わないけど。



「それは片想いってやつだな? 好きだって言っちまえよ」


「雅じゃねぇんだから言えるかよ」


「好きな女が出来たら迷うことはないだろ? 大事な時こそ男を見せろよ。凪」



時期に鬼神の総長の座につくと囁かれていた剣崎は、片割れ狩りだとか言って俺を追い回した。



「なーぎーちゃーん。ゲームをしようよ。ルールは簡単。どっちかが失神したら終わり」


「……ひとりでやってろ」



遊びにしてはなかなか度が過ぎていて、剣崎が手ぶらで追って来ることの方が珍しかったくらい。