「……きっと、晴れるよ」
俺は精一杯、声を張り上げて叫んだ。
「ほ、本当!?」
「うん。絶対晴れるから大丈夫」
「わぁ! よかったぁ!」
俺は神様じゃないからそんなのわからない。
だけど、キミの笑顔が見たいから、無意識に答えていたのかもしれない。
今となっては、あの日のことをキミは覚えていないと思うけど。
それでも、まるで宝物のような日になった。
「なっ、凪!? なんなのよコレは!? すごい数のてるてる坊主じゃないのよ! 普通に怖いじゃん!」
「あらあら。そんなに怒らないであげて? お姉ちゃんなんだから」
家族からのクレームなんてお構い無しに、俺はてるてる坊主を作りまくったなんて、キミには絶対内緒だけどね。



