【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ



「仲間になったら、この子とも遊んでいい?」


俺は慎重に問いかけた。


「……な、仲間になりたいなら条件があるぞ! 俺よりデッカイ殿様バッタ捕まえたら仲間に入れてやるよ!」


はぁ?

くっだらねぇ。


それでも俺はアイツの言う通り、躍起になって森へ繰り出した。


だから、三年生の夏休みは虫に刺されて悲惨だったのを覚えてる。



「なぁ、これならどう? かなりデカいと思うんだけど?」


「……っ!? なんだよこんなの! 俺の方がデッカイの捕まえたんだからな!」



俺の虫かごを見て興奮する柳涼太。



「は? じゃあ見せてよ」


「………今は、家の中にあるんだ!」


「わかった。いいよ、俺ここで待ってるから早く見せて」


「だ……ダメだ! 俺の勝ちだもん! お前はやっぱりあっち側だからな!」



どうしたってお前は、俺を仲間に入れてくれる気はなかったよな。


羨ましいくらい、ずっとキミを独り占めにしてた。