【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ



同じクラスの人とすれ違ったりすると、涼太は大袈裟なくらい私から離れたりするし、よそよそしい。



「なによ涼太ってば! そんなに嫌なら、別行動すればいいじゃん」


「……お前と俺が……付き合ってるとか、噂になっても困るからだ!」


「いやいや、そんなことしなくても、誰も誤解したりしないよ!」


「おっ! 小夏、焼きそば食うか?」



人の話聞いてないし……。

ソースの香ばしい匂いにつられて、涼太が屋台を覗き込んだ。



「いらねーの? 俺ひとりで食っちゃうぞ?」


「た、食べる……」


私もお腹が空いたから、涼太と一緒に食べることにした。

次はチョコバナナ、その次はたこ焼き、その次はフランクフルト。


なんだかんだ涼太と他愛ない話をしながら一緒に屋台を巡って歩いていたけれど、慣れない下駄を履いたせいか足が痛くなってきた。