「好きなのね? 隠したってバレバレよ?」
言い訳は無用だとばかりに澪ちゃんが言い切った。
「ん……白坂くんのこと、好きなんだと思う……こんな気持ち初めてだから、戸惑ってるんだけど……」
涼太には感じたことがない気持ちだ。
ドキドキする。
ひょっとしたら、女の子として扱われたことが初めてだったからかもしれないって思ったけど、それだけじゃないんだ。
「最初は、白かったり黒かったりなかなか掴めないところばっかりだった……怖かったし。けど、白坂くんのことを知りたいって思った……今は、もっと思ってる」
そうやって白坂くんの隣にいるうちに、白坂くんの後ろ暗さのないところに惹かれていったのはホントのこと。
湯船に浸かって、ひとつひとつ思い返すように素直な気持ちを打ち明けた。
「まぁ、恋は理屈じゃないって言うしね? ちょっとわかる……小夏の気持ち」
澪ちゃんの横顔に陰りがある気がした。
「実はわたしね……中三まで、付き合ってた人がいたのよ」
「な……なんだって!? 澪ちゃん、彼氏いたの!?」
思いがけない告白に目を見開いた。
澪ちゃんってば、とっくに恋愛の経験者だったなんて。
……いや、これだけの美貌だ。
現在進行形で男子がほっとくはずがない。



