【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ



* * *


慣れない登山をしたせいで、夕飯を食べ終わったあとの集会中は、うつらうつらして危なかった。


今日のまとめと気づいた点をプリントに書いて、私と澪ちゃんはお風呂場に向かった。



「はーーー!? 夏祭りですって!?」



シャンプーをしていると、澪ちゃんのどデカい声が響き渡った。



「うん! 白坂くんが誘ってくれて!」



シャワーの音に負けないように声を張って報告する。



「うん! じゃないでしょーが! そんなとこうろうろしたら危険じゃないの!」


「でも……それが最後かもしれないんだよ? 白坂くんの彼女仮は、夏休みが終わるまでだから……」



私が口をすぼめると、澪ちゃんがジーッと分析するような視線を送ってきた。



「あの……澪ちゃん!?」


「ほうほう。つまり小夏は、あの危ない男、白坂に惚れてると?」


ギクッ……。

澪ちゃんがニヤリと笑って言い当てる。

完全にバレているらしく私は肩をすくめた。