「たぶん俺の勘じゃ、そろそろ本格的に動き出してると思うから」
それを聞いて、私の足は一瞬力が抜けた。
「あの……黒塗りの車の、女の人も?」
あれ以来、私の家の周辺には姿を見せないけれど、横断歩道で剣崎のバイクのそばに停車したことを私は忘れていない。
恐らくあちら側の仲間だと察している。
「最近俺の家の周りうろうろしてんのは見るよ。監視すんの下手すぎかって」
やっぱり……白坂くんを追うひとりなんだ。
「女の人も暴走族の関係者なの……かな?」
「ああ。アイツは、結構深い繋がりがあったからな」
その言い方じゃ、やっぱり味方ではないってことは明白だ。
「大人の女の人まで送り込んでくるなんて、卑怯だよ……!」
「あの女は情報収集の役目だろ。そんな警戒しなくても大丈夫だから」
軽い口調で言われる。
白坂くんってば、そんなことあっさり言ってるけど、ホントに大丈夫なの!?



