「……ダメ。止まんなくなる。このままだと水瀬が嫌がることしちゃうから」



名残惜しそうに唇を離した白坂くんが、静かに身体を起こした。



私……白坂くんとキスしちゃった。

ぼーっとする頭で理解した。

現実感が薄かったけど、目の前には白坂くんの憎たらしいくらい綺麗な顔があるのだ。

夢の中にいるみたいにふわふわしてるのに、これは夢じゃない。



「本当、俺といると危ないね?」

「っ、危ないけど……」

「けど?」



ソファーに座り直して、呼吸を整えて、白坂くんをチラリと見る。



「い、嫌がらないかもしれないよ……?」

「っ、」



白坂くんの熱を宿した瞳を見つめて言った。

こんなことを口走る私も、なかなか危ないのかもしれない。