「白坂く……っ、」


悩ましげな顔で白坂くんは私を見下ろした。



「早くねだってよ? キスしたいって」

「キス………!?」


私、するなんて言ってないよ!と叫びたくなるくらい焦ったけど、声に詰まる。



「こっちはずっと我慢してんだよ」


反射的にペチっと手で口をガードする。


「なに、この手? キスするなんて言ってないよ?」



フッと笑った白坂くんにたちまち勘違いしていた自分が恥ずかしくなって手をどけた。



「っ、いや、これは反射的に……」


ふいっと視線を外せば、顎先をつままれてすぐに戻される。



「しないとも言ってないけどね?」

「……っ、」



断定的に低く囁かれ、勝ち誇ったような白坂くんの瞳に捕まったその時、唇を塞がれた。