「白坂くんは自分の顔面偏差値の高さをわかってないんだよ……10になるわけないでしょっ」
「なるよ?」
「じゃ、じゃあどんな時!?」
「今もうなってるよ?」
「今って……白坂くん、ズルい……!」
この体勢じゃ白坂くんの顔が見えないのに。
「……やべ。やっぱり10じゃなくて5かも」
「……っ!?」
今度は私の肩に、おでこをくっつける。
白坂くんの髪が首筋にあたる。
爽やかな匂いに眩暈が起きそうになった。
「だいたい、水瀬とふたりでいて、よく涼太くんは手ぇ出さなかったね」
「涼太は……私のこと女子として見てないから」
「だからお前は危機感ってやつがないの?」
あれ……白坂くんの声がどこか黒い……。
「俺、最初に教えなかったっけ?」
「……最初?」
「男とふたりきりは危ないって」



