「……必要です! なに言ってるの白坂くん!? 全然だめなの! 若宮さんに、変なあだ名で呼ばれてるんだから!」
白坂くんが私の肩に顎を乗せて、「なんだそれ」と笑った。
「真剣だね?」
「もちろん! でも、なにすればいいかわからなくて……」
「息してるだけでいいって」
なっ……!?
息してるだけって、適当に答えてる!
「私は真剣なの!」
「俺も真剣」
「嘘だ……白坂くんの可愛いは、適当に可愛いって言ってるでしょ!?」
「本気の可愛いだよ? 俺の顔面偏差値10になるくらい水瀬は可愛い」
「……」
「だいたいこんな服着て外歩くな。他の男に見せるとか俺への嫌がらせだ」
はぁ……と、背後でなぜか盛大な溜め息を落とされた。



