なかなか反応がない。
私は口ごもったまま目を上げた。
「これじゃあ独占したくて仕方ないって言ってるようなもんだな……」と、白坂くんがポツリと呟いた。
「で? 涼太くんとはいつもどう過ごしてたって?」
「……えと、涼太はゲームしてて、私はSNS見たりかな?」
これだよ、とSNSを開いたスマホを見せる。
#今年の水着
#みんながやってるヘアアレ
#女子力アップで話題のアイテム
うわ……。
自分で開いたくせに、若宮さんに言われたことばっかりが目についてしまった。
ケンタッキーって呼ぶ若宮さんが頭の中に出てきた。
くっ! 違うトレンドをチェックしよう!
「なにむすっとしてんの?」
それは一瞬だった。
白坂くんがソファーの後ろに回り込み、背後から私の身体に腕を回したのだ。



