｢水瀬は涼太くんにすぐ捕まって、鬼ばっかりやらされてたくせに｣
｢……えっ！？ なんで、それを！？｣
白坂くんは本当に私のことを知ってる。
まるで見ていたみたいだ……。
｢水瀬って、すぐ顔赤くなるよね｣
｢……そんなことは、ないよ？｣
そもそも自分じゃわからないし。
ドキドキしてないって言えば、それは嘘になるけど……。
｢ふーん。じゃあまだ緊張してんの？ 慣れない？｣
｢してない……全然平気……っ！｣
｢本当に？ 強がってんじゃないの？｣
違うよ……。
これは白坂くんが至近距離にいるせいだ。
｢ホントに平気だったら……だって、よく涼太の部屋で遊んだり、泊まったり………｣
そこまで言いかけて慌てて口を結んだ。
向かい合う白坂くんの瞳に捕まったから。
そして、はぁっと溜め息をつかれた。
｢だいたい、ここに来る前から涼太くんにあんな簡単に捕まるなよ｣
｢あの時は、涼太もなんか怒ってて……｣
涼太はいつになく様子が変だった。
というか、最近ずっと変だ。
