【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ



「って思ったけどやめとくよ」



その言葉に私はホッと胸を撫で下ろした。



「水瀬に試したいなんて言われたら、こんなとこでも止まんなくなりそうだから」


「……なっ!? てか、ちょちょ……っ、ちょっと待って……」



そしてまた落ち着いたかと思った鼓動をさっきよりも速く加速させていく。


それは、白坂くんが私の髪をすくように指先で絡めとっていたから……。



「触りたくなるくらい綺麗だから、これくらいは許してよ」



今度はふわりと緩めた瞳があんまり優しいから、うんと静かに頷いた。


本当は、嬉しいとか思ってる……。


男の子にこんな風に自分のことを褒めてもらえることは、今までになかったから。


女の子として扱われてることが、嬉しいなんて思うのは初めてだった。



白坂くんはどうして私なんだろう。


一緒にいればわかるって言われたけど、未だにそれは謎のまま。