「部屋って、それはある意味危ない……」
「どこが危ないんだよ。まぁ、心当たりはあるけど」
「心当たり……?」
「好きな子と部屋でふたりきりとか、簡単に歯止めきかねぇだろ」
……聞き返すんじゃなかった。
まるで独り言みたいに簡単に言ってくれるけど、私はヒヤヒヤしてドキドキして忙しい。
「本能的に?って言うのかな。理性とかきかくなったらもう止めらんなくない?」
そんな整った顔を向けて、こんな近い距離で言わないで……。
「私に言われてもよくわからないよ……っ」
「へぇ。じゃあ試してみる?」
「試す!?」
「そう。俺が水瀬相手にどうなるか」
「……っ、」
白坂くんは、発言に似つかわしくない優美な笑みを浮かべた。



