ほとんどが私が教えてもらってばっかりだった。
白坂くんは余裕綽々なのか特に悩むことも手が止まることもなく、私の手元を覗き込むことが多かった。
「さっきからそこで止まってない?」
「助動詞の覚えが悪くて……なかなか……」
「優先的に覚えておくと今後楽だから、やっておいた方がいいね」
白坂くんがテストに向けて重要な問題集のページを指定してくれる。
「おおー! なるほどー! ここをマスターしておくってかなり大事なんだね!」
白坂くんのおかげでだんだん頭の中がすっきりしてきた。
これならお母さんに叱れるような点は免れそう。
「し、白坂くん……あの、問題集を見てほしいんですが……」
一通り問題を解き終えると、白坂くんの視線が一心に注がれていることに気づく。



